入試Q&A

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心理学というのは、どういう学問なのですか?

ふつう日本人が心理学に対して抱くイメージというのは、心理テストを用いて人間の心を言い当てるだとか感覚や知覚の実験やセラピストによる心理療法の実践などを思い浮かべるかもしれません。しかしながら、他にも例えば、知能を扱う心理学では、人間をコンピューターにたとえて研究しているし、コンピューターやハードディスクなどを研究することは、実は人間の脳そのものを研究することにつながっていると考えられます。従って、知能はコンピューターにたとえるとソフトウェアにあたるため、ある刺激を与えたときにどのように反応し、どのような行動が生起するのかを解明することになるわけです。このように心理学は、具体的な結果を重視する姿勢が要求される学問と思われます。

それでは臨床心理学というのは、どのような範囲のことを扱う学問なのですか?

臨床心理学というのは、来談者の心の状態や環境を把握し、対処法や解決法を検討する臨床心理アセスメント、アセスメントの結果に応じ、用いる心理療法を決めて実際に行なう臨床心理的援助、地域社会や集団とかかわり、互いに強力をすることで問題解決をはかるコミュニティ援助、理論面・実践面ともに、援助方法の開発、意義や効果判定などの研究をする研究法など、4つの大きな柱が中心になっています。そして、これらの領域からさらに細かく分かれた応用実践もあります。

教育関連領域における臨床心理学の実践とはどのようなものですか?

幼稚園から、大学(大学院)まで、すなわち、幼児から大学(院)生までの心の問題に関して、臨床心理学の知見を活用しながら、心理療法を駆使して、支援・助言をおこなうものです。これらは普通、学校カウンセリングの対象となるものですが、幼児や生徒ばかりでなく、保護者や教師を含み、さらに地域の人びとにも働きかけをおこなう場合が、最近は特に多くなっています。

司法関係領域における臨床心理学の活用とはどのようなものですか?

家庭裁判所、少年鑑別所、少年院などがあります。この領域での臨床心理士の活動としては、加害者・被害者、両方の立場に立って、いろいろ考えていく力が不可欠です。最近多く発生している、少年犯罪などをどう受け止め、どのように理解し、問題の解決を考えていくのかが重要です。もちろん、犯罪被害者への心のケアが大切なことは言うまでもありません。特に、現在では警察などにも、被害者相談窓口が設置されるようになってきています。

司法関係領域における臨床心理学の活用とはどのようなものですか?

臨床心理士は、財団法人日本臨床心理士資格認定協会から「心の専門家」として資格を認定された人で、教育関連領域では、スクールカウンセラーとして学生相談室で生徒の悩みに応じたり、医学領域では、病院・クリニックで働いたり、福祉領域では、児童相談所や児童福祉施設で子どもや保護者のいろいろな問題に対応しています。

臨床心理士は、どのような仕事をするのですか?

臨床心理士は、財団法人日本臨床心理士資格認定協会から「心の専門家」として資格を認定された人で、教育関連領域では、スクールカウンセラーとして学生相談室で生徒の悩みに応じたり、医学領域では、病院・クリニックで働いたり、福祉領域では、児童相談所や児童福祉施設で子どもや保護者のいろいろな問題に対応しています。

心理学関係の学部を卒業したのですが、実験心理学が中心で、臨床心理学はほとんど学んでいないのですが、それでも受験に不利にならないのでしょうか?

全く不利になることはありません。例えば、臨床心理学の研究においても心理統計による解析の手法は、現在、認知行動療法を中心にさかんに用いられています。また、現職の方が受験する場合を除いて、修士レベルでは事例研究のような質的研究よりもむしろ質問紙調査法のような量的研究で研究計画書を書くのが普通です。その意味においても、見方を変えれば、心理統計に精通していることは有利であると思われます。

自分の卒業した学部が心理と異なる分野なのですが、それでも受験できますか?

大丈夫です。例えば理系学部出身者でも大学院は受験できます、編入学に関しても同様のことが言えます。ただし、短大・専門学校卒業(または見込み)の方に関しては、編入のために必要な単位数に注意して下さい。

競争率や難易度はどれぐらいになりますか?

大学院入試や編入学というものは、大学受験の時のように偏差値などで難易度を決められるものではありません。また、どれだけ募集人員が多くても、受験合格するための勉強をしなければ、いくら知識をたくさん持っていたところで合格はできません。よって、「競争率が高いから受験しないでおこう」とか、「私には手の届かないレベルだから・・・」と言う考え方では、いつまでたっても合格しません。受験は合格して実際に入学することに意義があるのですから、合格するための受験勉強に果敢に取り組むことが大切です。

偏差値が高い大学の大学院を受験した方が良いのですか?

大学受験では、偏差値が高い大学=評判の良い大学と考えられています。しかし、大学院受験では必ずしもそうではありません。修士論文を書く上で、自分の研究したいテーマと指導教員の専門がマッチしていることが重要ですので、学部の偏差値という点からではなく、指導教員という点から、受験する大学院を決めた方が良いでしょう。ただし、旧帝大や有名私立などの大学受験での偏差値が高い大学院には研究能力に優れた教員が多くいますので、将来研究者になりたい人はこれらの大学院に進学した方が良いでしょう。臨床心理士の資格を取得することが目的の人は、大学の偏差値についての評判はあまり考慮しなくても良いでしょう。

心理大学院入試や編入学で必要な英語のレベルはどれくらいですか?

大学院入試でも編入学でも英語は長文の全訳(部分訳)が主体です。したがって、海外留学をしていてリスニングができるということも、残念ながらそれほど功を奏しません。ちなみに、学部社会人入試でも英語が課せられる場合がありますが、この場合でも同じです。英語の文字を読んですぐに日本語で意味をとれるぐらいの長文読解力が必要となります。

出願に際して必要な書類は?

一般的には、入学願書の他に、卒業証明書、学業成績証明書、健康診断書などで社会人入試の場合であれば、在職証明書や職場の上司の推薦書などが必要となる場合があります。これらは書類審査の対象としては、それほど重きをなしません。編入や社会人入試の場合であれば「志望理由書」、大学院であれば「研究計画書」といったものが合否を左右する大きなポイントとなります。極端に言えば、学校の成績があまり良くなくてもそれほど気にしなくてよい、と思って下さい(C判定ばかりの場合は別かもしれません)。要するに提出書類で最も重要なものは、研究計画書(編入なら志望理由書)と言うことを覚えておいて下さい。

心理大学院入試や編入学に関する情報収集はどうすればよいですか?

一番良いやり方は、大学に直接問い合わせをして、学校案内や募集要項を請求することです。HPでも収集できますが、更新されていない場合がありますので、少し注意が必要でしょう。あとは、大学のオープンキャンパスを利用するなどの方法があります。ただし、大学院受験を目指す方の「研究室訪問」は、現在一般的に行われていないので注意して下さい。

年齢的に不利になることはありますか?

全くありません!この一言に尽きるでしょう。よく考えてみてください。これらの受験は、大学を卒業した人や、20年以上も仕事をしていた人たちのために門戸を開いているのですから、年齢でハンデをつけてしまうのは全く矛盾したことと言えるのです。

「社会人経験」というのは、どこまでが社会人経験なのでしょうか?

これは様々ありますが、もし、「社会人経験3年以上」とだけ書かれていた場合、会社勤務のみならずパートやアルバイト、主婦や家事手伝いでも社会人経験に含まれる場合が多いです。ただし、大学・大学院によって基準が異なるかと思いますので、一度直接問い合わせてみるのが一番賢明でしょう。また、会社勤めをしていた人(あるいは勤めている人)でないとダメ、と言う場合は、「企業や官公庁などに○年以上勤務していた人」などの文言が使われている場合もあります。

内部進学の方が心理の大学院には入りやすいのでしょうか?

こういったことがよく言われますが、「臨床心理士指定大学院」に関しては、あまりあてはまらない場合が多いと思ってよいでしょう。むしろ内部の方が枠が小さくで厳しい場合もあります(勿論例外もありますが。)ただし、内部推薦入試と言うのを一般入試とは別に設定しているところもありますので、要注意です。

志望校選択に迷ってしまい、困っているのですが?

もし、あなたが「3ヵ月後に受験だ!」というのであれば大変なことですが、少なくとも受験まで6ヶ月以上期間がある方であれば、決まっていなくて当たり前と思って下さい。それを心配するより、将来どこの大学院・大学を受験することになってもあたふたしないように、受験勉強をスタートさせることが大切です。受験勉強と並行して時間をかけて大学案内を熟読して、決めていきましょう。

受験にするためには、どのくらいの準備期間が必要ですか?

理想としては、1年間ぐらいの期間を考えておく必要があるかもしれません。よく「もっと短い期間で合格したよ!」とかいう声を聞くことがありますが、そんな短い期間で大学院や編入に合格するのであれば、大学院や編入試験に人が殺到してしまうでしょう。ただ、時間的制約の多い社会人の方であれば、それだけの準備期間を取る事は不可能かもしれないので、もし1年間ぐらいの準備期間が取れなくても、少ない期間でもよいので、要領のよい効果的で能率的な勉強をしていくことが最大のポイントでしょう。

どうしたら、受験勉強に集中できるようになりますか?

記憶力をよくするためには、注意力を上げていく必要があります。それでは、どうして注意力を上げていくのかいうと、一つは関心をたくさん持つようにすることではないでしょうか。すなわち、勉強が好きになれば、多くの事柄を覚えることができるようになります。勉強が好きであるということは、好きなものはたくさんのものを覚えることができるようになることと大いに関連があることで証明されています。また、集中力やその人独自の動機なども、受験勉強を効率よくこなす上で、見逃すことのできない要因です。

研究計画書を作成するにはどうしたらいいのでしょうか?

やはり十分な準備期間を設定しておく必要があるでしょう。ともすれば、とりあえず短期間でつくってしまって、後は、ひたすら受験勉強しさえすればいいというような安易な考え方におちいったりする場合がありますが、面接・口頭試問に対しても、きちんと対応できてこそ、真の合格を勝ち取れるのです。その際、研究計画書の内容はかなり重要です。先行研究、参考文献をきちんと読みこなし、じっくりと取り組んでいく必要があるでしょう。

それでは、具体的な研究計画書の作成手順を教えてください?

詳しい作成手順をすべてここで説明することは困難ですから、その一部を、大阪校において、開催している[臨床心理士指定大学院カウンセリング説明会]で配布している資料の中から引用してみることにしましょう。

研究計画書作成のポイント

●何のためにあるのか?

受験生の多くが頭を悩ますのが、研究計画書です。自分は何をこれから研究するのか、ということを書くわけですが、大学院の側から見て何のためにあるのかを考えて、合格する書類を書くためのヒントにしてみましょう。

研究計画書のテーマは、指導教授の決定と深く関わります。いくら素晴らしいテーマを挙げても、志望した研究科・専攻に指導できる教授がいなければ、教える人もいない、この大学院に来る意味もないということで対象とされなくなります。志望校の決定とも関わりますが、この点は特に注意しておきたいところです。

また、研究計画書の内容からは、大学側は熱意と能力とを推し量るということを忘れてはいけません。

熱意というのは、研究にかける熱意で、いかにやる気があるかということです。能力というのは、大学院の授業についていくことができるのか、貢献することができるのか、修士論文を書き上げることができるのかということであり、それらに必要な論理力や文章構成能力のことを指します。

つまり、「研究計画書」によって大学院側が見ていることは
・この大学院で学ぶ意味がある学生か?
・やる気のある学生か?
・ある程度の研究業績を積み上げられる学生か?
ということになります。
以上の点を忘れずに研究計画書を作成していく必要があります。

<研究計画書作成の準備>

では、「研究計画書」作成の準備として、何をしておくべきでしょうか?

● 関連文書を読む

まず、自分の研究したい領域の関連文書を読んでおかなければなりません。この点を怠ると、自分の研究しようと思っていたことが、実際はもはや結論が出ていたということや、独創性あふれる新しい学説が出せたとしても、素人の単なる妄想程度になってしまうこともあるからです。

自分の研究したい領域の一般書籍・専門書籍はもちろんのこと、学術雑誌にも目を通し、自分の研究対象分野の動向は必ず押さえておく必要があります。そうすれば、他の領域との関わりや研究の流れなども確認できますし、今よりも、もっと内容の充実した研究テーマが見つかる可能性もあります。それに、研究テーマがまだはっきりと決まっていない人も、ヒントが見つかって、方向性が見えてくることもあるでしょう。

志望理由書も研究計画書も論文の一種です。論文と作文の相違は当然のことですが、ここでもう一度見直しておかなければなりません。論文が作文と異なるのは、論文には構造性が存在するという点です。テーマは客観的に展開させていくものです。特に研究計画書は、①問題・目的(先行研究)②方法③仮説④意義・成果の4点を論証していく説得論文と見なす必要があります。すなわち、論理の展開がしっかりと存在していなければならないのです。社会人の方や他学科出身の方(通信の方は特に)はどう書いていいのかイメージがわかず、なかなか論が進展していかないこともあるでしょう。まずは、先人の書いたもの(先行研究)を考慮し検討しながら、論文の書き方を吟味してみてください。日本編入学院では、過去の受講生が残していった研究計画書の膨大なデータも用意されています。この種のデータも大いに利用しながら、ぜひがんばって自分自身の独創性あふれる研究計画書をつくってみてください。
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そのまんま東さんの本で日本編入学院が紹介されています。

「いろいろ調べて、日本編入学院という予備校があるのを見つけた。(中略)
編入学院では徹底的にしごかれた。小論文がこれほど難しいものとは思わなかった。(中略)
先生から添削で細かく注意を受け、論文らしい文章にすることを学んだ。」(p.75-76より)



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