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小論文・志望理由書の書き方

                              

これは縮小版です。

カウンセリングに来られた方には

完全版小冊子(全22ページ)を差し上げます。

 

 

 

小論文とは何か

 

1.小論文とは、自分の考え(意見、見解と言ってもよいでしょう)

を、文章によって述べるものである。

 

 小論文とその他の文章(日記、報告書、感想文、記事、企画書etc.)との違いは、「自分の考え」を述べるものか、必ずしもそうでないのか、の違いです。さらに説明しますと・・・

 

1)小論文は一つの考えについて書くものである。

書くべき「自分の考え」は一つです。二つ以上の「考え」を書くものは小論文ではありません。また、付け加えを書くことは不要かつ有害です。優等生を演じようとして道徳的に正しいと思う考えを書く必要も必ずしもありません。

 

2)小論文は説得するための文章である。

一つの考えを書くといっても、「○○については〜であるべきだ。」という一文だけで終わってしまっては「宣言文」になるだけです。小「論」文であるためには、「なぜならば〜だから」というように、必ず説得をしなければなりません。説得とは、他人にもわかる根拠(論拠)を示すことです。<「自分の考え」→説得>という「かたち」で書くのが小論文です。

 

3)小論文は説明文ではない。

説得と説明は違います。小論文とは「どうであるべきか」、「どう考えられるか」を800字を使って説得するものであり、「どうなっているか」(説明)をメインとする文書ではありません。求められているのは、「自分の考え」の説明ではなく、「自分の考え」が「なぜ」妥当なのか、その核心部分について説得することです。

 

4)「自分の考え」は原則として早く言うべし。

90パーセントが説明に終わり、最後にようやく「自分の考え」が出てくるものを見かけますが、それは小論文としては評価が低い。「自分の考え」を早く出し、あとはそれを説得する論拠を書くようにすれば、長々と説明だけを書かなくなります。

 

5)最終段落は厚くなくてよい。

最終段落で、これまで書かなかった論争的な概念や、説明・説得を必要とする考え方を書き加えてはなりません。最終段落は、それまで説得してきた「自分の考え」を再度簡単に言えれば十分です。

 

6)小論文を書くためには知識も必要である。

 <「自分の考え」→説得>の「かたち」に込める内容(知識)がなければ小論文は書けません。また、知識そのものも問われる論文・論述試験もあります。


7)課題文つきの小論文試験では書くべきことや書き方に一定の枠があります。

課題文がついた小論文試験では、?課題文の内容と自分の考え・論拠を区別し、?課題文の内容をなぞるだけでなく、それに少しでもプラス要素を加える解答を書かなければならない、という暗黙の枠があります。

 

2.小論文も文章である。

 

小論文も文章です。実は小論文を書く前に文章が書けていないという例が実に多いのです。また、文章を書くことができれば、よい小論文を書く訓練にスムーズに入ってゆけます。

文章とは、「文」の「章」です。文というのはマル(。)で終わる日本語表現です。文章とは、その文が複数連なって、全体で一つのまとまりをもっているもののことです。

 

)意味の分かるを書け。

 まず、文を書かねばなりません。しかも、意味が正確に伝わる文です。意味が正確に伝わるとは、二通り以上ではなく一通りの意味内容でしか解釈できない、ということです。

ポイント 体言止めは避ける。動詞を使う。

意味の分かる文を書くときのポイントは、述語や動詞を書くことです。小論文とは説得の文章ですから、動詞がなく名詞だけで終わる文は避けなければなりません。体言止めは不可です。

ポイント 主語―述語の対応関係、同種のものを並べる並列関係、

「は」が文末を支配する場合のような呼応関係を厳密に守る。 

ア、<主語―述語>の対応関係

一文の中で<主語―述語>の対応関係がめちゃくちゃになることは厳に避けなければなりません。一文が長くなったとしても、それぞれの動詞の主語が分かるように書くことが非常に重要です。

イ、同種のものを並べる対応関係

「と」「や」「また」「あるいは」「および」など(英語で言う場合の等位接続詞)で並べる前後のものは、文法上同じもの(同じ品詞)でなければなりません。

ウ、「は」が文末を支配する場合のような呼応関係

「が」が単に主語を示すにとどまるのに対し、「は」には、主語を示すとともに文全体の主題を設定し、文を最後まで支配する働きがあります。したがって、そのような「は」が使われている場合、文末には、「は」に答える(呼応する)言葉が来なければなりません。

 

2)文と文のつながりに神経を使うべし。

文章とは文を連ねて一つのまとまりを持たせたものです。ですから、上で説明した点に注意して文を作ったら、それに他の文を続けてゆかねばなりません。

ポイント 接続語(接続詞)に親しめ。

 「しかし」「また」「とはいえ」「したがって」「だからといって」「この点で」などの接続語・接続詞に親しみ、使えるようにしましょう。

ポイント「ひらがな」をぜいたくに使ってつなげろ。

接続に関するひらがなは、ぜいたくに使うべきです。

 

3)他人に通じるように丁寧に書け(心構えとして)。

小論文試験においては、受験生と採点官とは、紙と鉛筆だけによってコミュニケーションするしかありません。前もっての共有事項がない人に、文章だけで意味内容を伝えなければならないのです。ですから、読む人が分かるように、できるだけ丁寧に、相手を思いやって書かなければならないのです。

 

4)静かに、直接的に書けばよい。

小論文とは、ドラマチックに技巧を凝らして書くものではありません。また、言いたいことをぼかさずに直接書くものです。もって回った言い回しや比喩的表現、反語表現、婉曲表現は不要かつ有害です。

 

 

小論文の勉強法

 

心構え:小論文には正解はない。

得点のための必須アイテムなどもない。

 

小論文に正解はない

 小論文では、正解が前もって決まっていてそれ以外は不合格、ということはありません。もちろん、受験進路や専攻によっては、出題側が書いて欲しいと意図していることはあります。しかしその場合でも、何を「自分の考え」とするか、それをどう表現するか、どのように説得するかについては、多かれ少なかれ書く者の選択に委ねられているはずです。

あえて言えば、小論文の答えは、自分の頭や心の中にあるのです。自分の外にある答えをやみくもに覚えるという姿勢ではなく、知識をいわば血肉化しようとする姿勢が必要です。

 

得点のための必須アイテムなどはない

<「自分の考え」→説得>という「かたち」以外に、小論文の書き方の決まりごととか得点のための必須のアイテム・テクニックなどはありません。小論文の採点は、必須アイテムを使っているかということからではなく、全体的観点からなされるものです。

勉強法(1)人に見てもらえ

最高の勉強法は、小論文を書き、それを人に見せて批評してもらったり直してもらったりすることです。人に見てもらうことによって、小論文が「通じる」文章によって書かれているか、また、他人に「自分の考え」が説得できているかがはじめてチェックできるのです。

勉強法(2)よい論文・文章をたくさん読むべし

「学ぶ」はもともと「まねぶ」です。<「自分の考え」→説得>をしている文章をたくさん読んでまねることや、意味が通じる良い文章を読んでまねることが大切です。

 新聞を読むことはもちろんですが(特に論説・特集記事がよい)、それだけでなく、論文、雑誌、新書等を参考にするとよいでしょう。

勉強法(3)調べることも必要

知識を十分に身につけるためにも、また、調べれば読みますからよい文章をまねるためにも、調べることは必要です。調べながら書くということを数ヶ月から半年も続ければ、入試に出やすいテーマを一通りカバーできるようになります。

 

 

志望理由書の書き方

 

志望理由書は、とにかく通じる文章で書くこと、これがポイントです。

書くべきことは、


なぜ大学編入・社会人入試・大学院入試等を志望するか?

なぜこの分野を志望するか?

なぜ○○大学 ( 大学院 ) を志望するか?

入学後は何をしたいか?

卒業後は何をしたいか?

学業に支障なく取り組めるか?
例えば勉強時間は確保できるか?
仕事との調整はつくか?

あなたは誰か?
つまり、現在の身分はどのようなものであるか?
仕事ではどんな実績があるか?
過去の経験や生い立ちはどのようなものか?

 

などです。必ずしもこの順番で書けばよいわけではありません。志望先の違いや現在の状況の違いなどによって、アクセントの置き方や順番が違ってきます。最高の対策は、書いたものを人に見てもらうことです。

 

 



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